糖尿病の死亡原因は「ガン」が第一位

糖尿病から合併症が原因でガンになる確率が高い

糖尿病の死亡原因第一位はガン、空腹時血糖が高い人は胃がん、女性の場合は大腸ガンを併発するケースが多い

糖尿病になるとガンになりやすい

糖尿病になると、神経障害・腎症・網膜症の合併症が引き起こされやすいのですが、糖尿病が原因で起こる危険な病気は、それだけではありません。

糖尿病の患者さんの死亡原因第一位は、ガンです。脳梗塞や脳出血など脳血管障害が13.5% に対して、ガンは23.5%も占めています。

学会で発表された調査によると、糖尿病の方は膵臓ガンや子宮内膜ガン(子宮体ガン)になりやすいことがわかりました。また、膵臓ガン・肝臓ガン・大腸ガンが多いです。

空腹時血糖値が高い人は、胃ガンになりやすいとう研究報告もあります。空腹時血糖値が95ミリ以下の人に比べると、96~104ミリの人は2.3倍、105ミリ以上の人は3倍以上も胃ガンになるリスクが高くなるとわかったのです。

糖尿病の治療では、ガンの予防も大きな柱となります。糖尿病の方に年に1度、腹部のCT検査と大腸の内視鏡検査、タバコを吸っている人には肺のCT検査を行う病院も少なくありません。特に女性の糖尿病の方は大腸ガンが多いため、大腸の内視鏡検査は絶対に欠かせません。

糖尿病の方は、なぜガンになりやすいのでしょうか。実は、その理由は不明です。

人問の細胞が新陳代謝をくり返すときに、細胞が遺伝子をコピーするさい、血糖値が高いとエラーを起こして遺伝子の異常を招き、ガンを発症させてしまうのではないかという説があります。また、糖尿病の治療に使うインスリンは細胞の成長を促すホルモンなので、ガン細胞もいっしょに成長させてしまうという説もあります。

糖尿病の方がガンになったときに問題になるのが、血糖値が高いと外科手術が受けられないということです。

現在の医療現場では、ヘモグロビンA1Cが8以下でなければ外科手術をしないというのが常識です。血糖値が高い状態では体の免疫力が低下しているため、手術のあとが化膿したり、縫合がうまくいかなかったりするからです。

血糖値を下げてから手術に踏み切ることは可能ですが、血糖値が基準値域内の患者さんに比べて、手術後の経過が順調ではないことが少なくないのです。

15~20%はうつを合併し、認知症の危険は4倍も高まる

ガン以外にも、糖尿病の方はうつや認知症になりやすいことがわかっています。

ストレスがたまると糖尿病の原因になるのですが、うつも引き起こされます。糖尿病の治療でストレスがたまる人も多く、糖尿病の患者さんの15~20% はうつも合併しています。

また、糖尿病の方がアルツハイマー病になる危険度は、糖尿病でない人に比べて4.8倍も高いことがわかっています。これには、糖尿病の合併症の原因となるAGE(終末糖化産物)が深く関係しています。アルツハイマー病になると、脳細胞には老人斑というシミができるのが特徴ですが、糖尿病の患者さんの場合、その老人斑に大量のAGEが付着しています。つまり、糖尿病になると認知症をますます進行させてしまうのです。

加工食品、清涼飲料水、焼く・揚げる調理法など、AGEを大量に含む食品チェック

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