インスリンの働きが悪い日本人はやせ型でも糖尿病になりやすい

日本人はもともと雑穀や豆類、野菜を食べてきたのでインスリンを活発に出す必要性がなかった

日本人の6人に1人が糖尿病で炭水化物の摂りすぎがよくない

糖尿病と1度でも診断されてしまったら、糖尿病ではない状態に二度と戻ることはできません。食事や運動不足に注意したり、薬を飲んだりして血糖値を下げても、糖尿病は決して治らない病気なのです。

糖尿病は、日本人の6人に1人がなっているといわれる病気です。ところが、自覚症状がほとんど現れないため、治療せずにほうっておく人が少なくありません。血糖値が高い状態を放置すると、数年後には必ず合併症が起こり、失明ばかりか、命を奪われる危険もあるのです。合併症など深刻な事態を招く前に、適切な治療によって進行を防ぐことが大切です。

糖尿病が強く疑われる人と糖尿病の可能性が否定できない人(いわゆる糖尿病予備群)を合わせると、推計で2300万人にも上ります。

糖尿病の患者数も驚く数になっていますが、その増加スピードも増すばかりです。今から36年も前の1980年ごろの糖尿病の患者数は、成人100人に1人の割合程度でした。ところが、この36年間、糖尿病は爆発的に増えつづけ、成人6.3人に1人にまで増加。なかでも糖尿病予備群が急増しているのです。

医学は進歩しており、日本人の健康意識も向上しているはずです。それなのに、なぜ日本人に糖尿病の患者さんが増えているのでしょうか。

糖尿病は、食べすぎや飲み過ぎ、運動不足、肥満などと密接にかかわっています。一方、肥満の多い米国人に比べて、日本人は糖尿病を発症しやすいこともわかっています。日本人は、血糖値を上昇させやすい食生活をしているほか、やせている人でも糖尿病になりやすい体質を持っているからです。

日本人の食生活の中心は、和食(日本食)です。和食は一般的にカロリーが低いため、健康食として欧米でも人気を集めています。ところが糖尿病に関しては、健康食とはいゝえない側面も持っているのです。ご飯(コメ)やそば、うどん、ラーメン、パスタなど、炭水化物を多食する日本人の食生活こそが、糖尿病の最大原因だからです。1日の摂取カロリーをどんなに抑えようと、ご飯をたくさん食べていれば、血糖値はどんどん上昇してしまいます。日本人は、お米が好きな人が多く食べ過ぎている人が多いのです

炭水化物の摂りすぎは膵臓が

食事からとった炭水化物は体内でブドウ糖に分解され、小腸から肝臓を経て血液に取り込まれ、全身に送られます。ブドウ糖は、体を動かしたり脳を使ったりするときに、エネルギーとして使用されます。余分なブドウ糖はグリコーゲンや脂肪となって、肝臓などに蓄えられます。

血液中のブドウ糖は、膵臓で分泌されるインスリンというホルモンの働きによって、細胞に取り込まれ、エネルギーとなります。この血液中のブドウ糖の濃度が血糖値です。インスリンは、血液中のブドウ糖が過剰に増加するのを抑える働き、つまり血糖値を下げる働きがあるのです。

しかし、炭水化物を多く摂りすぎると、膵臓は大量のインスリンを作り出すために慢性的な過労に陥り、十分な量のインスリンが分泌できなくなります。また日本人は欧米人よりも膵臓が弱く、インスリンの働きが悪いこともわかっています。こうした体質も重なって、日本人は糖尿病になりやすいのです。日本人は、欧米人と同じように炭水化物をたくさんとってしまうと、あっという間に糖尿病になる危険をはらんでいるのです。

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